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新型コロナウイルス新規感染者数を株価予測に用いるテクニカルの手法で分析します。Technical Analysis about COvid19 Infection Count.(土曜日更新)

感染者数が急激に減少した要因など

感染者数が急減し、そのまま低い状態が継続しています。
感染者数の推移をわかりやすいように8月と9月分だけグラフにしました。

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感染者数のピークは8月20日の25,876人で、そこから減少に転じています。

山中伸弥京都大学教授の新型コロナウイルスのサイトに9月13日の時点での人流のデータが掲載されています。
この人流のグラフを見ると、緊急事態宣言が東京に発出された7月半ばの時期や、東京、沖縄以外の地域にも発出された8月初旬から、人流は減っていないことがわかります。

東京に4回目の緊急事態宣言 政府決定 沖縄は延長 8月22日まで|NHK

緊急事態宣言 4府県追加 東京 沖縄も8月31日まで 政府方針|NHK

 

山中教授のサイトの記事は以下のようにしめくくっています。

8月下旬から全国的に感染者数が減少に転じています。これがワクチン接種の拡大によるのか、それとも他の理由によるのか現状では不明です。

出典:山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信「Googleによる人流解析(2021年9月13日)」Googleによる人流解析

以前の記事にも書きましたが、当初、治験のデータなどから、ワクチンには「感染」予防効果があるとされてきましたが、実際にワクチンの接種が進んだ国でも、感染者数自体の減少は一時的なものであったことから、ワクチンには「感染」予防効果がないとされて、現在は、感染予防効果は一定程度あるが、感染が完全に防げるわけではない、という見解が一般的になっているようです。

 

専門家会議では、複合的な要因を指摘しているようです。

▽連休やお盆休みなど、感染拡大につながる要素が集中する時期が過ぎ、拡大の要素がなくなったこと、
▽医療が危機的な状態となったことが広く伝わって、危機感が共有されたこと、
▽感染が広がりやすい夜間の繁華街の人出が減少したこと、
▽ワクチンの接種が進み、高齢者だけでなく若い世代でも感染が減少したこと、
▽気温や雨など、天候の影響があったことを挙げています。
出典:NHKニュース「コロナ感染者急速減少の理由」

www3.nhk.or.jp

 

この要因をひとつひとつ見ていくと、「お盆休みが過ぎて拡大する要素がなくなった」としながらも、一方で「天候不順で人手が少なかった」とされています。
2021年の夏は、20日ほど雨天が続くという長雨が特徴的な夏になりましたが、実際にはこの長雨はお盆の少し前から始まっています。
気象庁のデータで調べると、長雨がはじまったのは8月7日で、時々降水量がゼロの日もありますが、それが8月末まで続いています。

つまり、お盆の間もずっと長雨だったので、天候不順で人手が少なかったとしつつも、お盆が過ぎたから人手が減った、という矛盾する内容が要因としてあげられているとみることもできます。

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出典:気象庁

 

ほかにも「ウイルスの自滅説」や「ウイルスの寿命説」などがありますが、実際はどの説をとっても、疑問が残る状態になっています。

 

ウイルス自滅説とは、以下のようなものです。

「エラーカタストロフの限界」とは、1971年に米国の進化生物学者が提唱したもので、「ウイルスは変異しすぎるとそのせいで自滅する」という主張だ。

出典:デイリー新潮「新規感染者数急減で注目されるエラーカタストロフの限界理論

新型コロナ、新規感染者急減で注目される「エラーカタストロフの限界」理論(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース

この説をとってみても、なぜ日本では感染者数が25000人程度でウイルスの自壊が始まるのに、インドのように1日の感染者数が300,000人のような状況になっても自壊しない場合があるのか、という疑問もありえます。

また、ウイルスの寿命と考えても、同じ武漢が起源のウイルスからの派生とすれば、同じ時期に世界中で寿命を迎えるはずで、日本では寿命を迎えるが、アメリカやシンガポールなどで感染が拡大している状況は説明ができません。