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新型コロナウイルス新規感染者数を株価予測に用いるテクニカルの手法で分析します。Technical Analysis about COvid19 Infection Count.(土曜日更新)

新型コロナでインフレになりかねない ‐ 世界中で大規模な金融緩和

新型コロナ対策で世界中で金融緩和がされています。金融緩和とインフレ、金本位制の歴史などをまとめてみました。

 

▽ 新型コロナの影響で深刻な需要減、常識的にはデフレに

 

新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界的に外出が自粛されるなどして需要が大きく落ち込んでおり、深刻な不況となっている。需要と供給の一致するところに価格が決まるとすれば、需要の減少は価格の下落要因であるから、常識的にはデフレになるはずだ。

 しかし、仮需が増加したり、需要を上回る供給の減少が起きたり、金融緩和がインフレを加速させたりするリスクも皆無ではない。
出典 新型コロナの影響でインフレになりかねない理由 | 重要ニュース解説「今を読む」 | ダイヤモンド・オンライン

 

▽ 世界中で大胆な金融緩和

 

「世界的にこれだけ大胆な金融緩和が行われ続けているのにインフレになっていないのだから、今後もならないだろう」と考える人も多いようだ。しかし、それも危険な考え方である。「今日まで疫病が流行していないのだから、明日も大丈夫だろう」という考えが誤りであるのと同様である。

 金融緩和は燃料のようなものであるから、自然発火することはないだろうが、インフレが起きた時には、それを加速する要因となりかねないため要注意だ。
出典 新型コロナの影響でインフレになりかねない理由 | 重要ニュース解説「今を読む」 | ダイヤモンド・オンライン

 

新型コロナの影響でインフレになりかねない理由 | 重要ニュース解説「今を読む」 | ダイヤモンド・オンライン

 

▽ そもそも金本位制とは

 

金は輝きがあり、腐食しにくく、展性が大きく
(薄くのばすことが出来る)、分割することもできるところから、
何とでも交換可能であったため鋳貨として使われてきた。

この金貨をもろもろの商品の価値を表現するのための
基準として使うことを金本位制という。
出典 金本位制

 

▽ 金本位制の自動調節作用

 

金本位制では輸出入の差額は金で払われ、調節される。

ということは貿易が赤字になると金が国外に出て行き、
国内通貨量は減少し、国内の所得は減り物価は下がることになる。
すると輸入は減り、輸出が増えて貿易赤字は解消にむかう。

金本位制にはこのようなメカニズムがあり、
それを金本位制の自動調節作用という。
出典 金本位制

現在の管理通貨制度(変動為替制度)では、貿易赤字国の通貨の価値が下落し、
貿易が有利になり、貿易赤字が解消される、という仕組みになっています。

貿易を有利にするため、通貨の切り下げを意図的に行う国があります。

 

▽ 1816年イギリスで開始、大英帝国の財政基盤を支える

 

金本位制は1816年にイギリスに始まり、1844年にイングランド銀行が金と交換可能なポンドを兌換紙幣(金1オンス=3ポンド17シリング10ペンスを平価とした)として発行し、19世紀末にロンドンのシティを中心とした国際金本位制=ポンド体制として確立した。
出典 金本位制

 

▽ 一次大戦後、英が金本位に復帰したことで、米が空前の好景気に

 

イギリスは国家的威信にこだわり、
旧平価(大戦前のレートである1ポンド=4.86ドル)
金本位制に復したため、イギリスの繊維・機械・石炭
と言った伝統産業がすでに衰退して国際競争力を失って
いるという現実に合わず、輸出が減少したため貿易収支
が悪化し、資金がアメリカに移動してしまった。

一方、アメリカは金融緩和を進めたことと
相俟って世界中の資本がアメリカに過度に集中し、
アメリカの株式市場が暴走する遠因となった。
出典 金本位制

 

▽ 大恐慌金本位制崩壊 管理通貨制度へ

 

世界恐慌の深刻化の中で世界的な金融不安が広がり、
1931年から33年の間に次々と金本位制から離脱する。

通貨制度は、金本位制に代わって、中央銀行の管理の下で
紙幣が発行される管理通貨制度に移行することとなった。
出典 金本位制

 

▽ ブロック経済と自国通貨切下による国際競争の激化 戦争へ

 

世界通貨制度としての金本位制が崩壊した後は、
資源に恵まれたアメリカ合衆国はニュー=ディール政策によって
国内購買力を回復させることに成功していくが、
イギリス・フランスはブロック経済圏を形成して保護主義
とるようになり、また日本を含む各国は平価の切り下げ
(自国通貨の価値を下げる)を行うことで、輸出を多くし、
国内産業を守ることを競うようになった。

それはさらに国内の労働者への低賃金という形でしわ寄せを
強めることとなり、世界全体の購買力を低減させ、また資源
や安い労働力を求めて領土・勢力圏の拡大をはかる戦争への
道を開くこととなった。

ナチスドイツの「生存圏の拡大」、
日本軍国主義の「満州国」などがそれにあたる。
出典 金本位制

 

金本位制

 

▽ 空席のFRB理事に金本位制支持者が就任する可能性も

 

2020年の米金融政策については、
(1)金融政策の枠組みの見直し、
(2)隠れQEの終わらせ方、
(3)空席となっている2人の理事と大統領選挙後の次期FRB議長人事が注目材料。
出典 FOMCを受けた金(GOLD)見通し。 - みんかぶコモディティコラム

 

FOMCを受けた金(GOLD)見通し。 - みんかぶコモディティコラム

 

トランプ氏の熱心な支持者、過去にFRBの独立性に否定的な見解

金本位制復帰や通貨切り下げの支持を示唆、「危険な道」と共和党議員
出典 FRB理事候補シェルトン氏、民主・共和両党が適性を疑問視-公聴会 - Bloomberg

 

FRB理事候補シェルトン氏、民主・共和両党が適性を疑問視-公聴会 - Bloomberg

 

▽ トランプ支持者で、FRBの独立性に懐疑的な面も

 

トランプ米大統領米連邦準備制度理事会FRB)の理事候補に
自陣営の経済顧問だったジュディ・シェルトン氏を指名し、
中央銀行の独立性に対する懸念が改めて深まっている。

シェルトン氏はFRBの独立性に懐疑的で、
「議会や大統領とのさらなる協調」をFRBに求めてきた。
FRBがトランプ氏との「協調」となれば、トランプ氏が
金融政策を仕切るのは目に見えている。

シェルトン氏は2022年に任期を終えるパウエル現議長の後任含みとされる。
出典 中央銀行の独立性が危うい? 嘆く前に自らの行いを改めよ | トランプ米大統領がFRB理事候補に自陣営の経済顧問を指名 | グローバルアイ | 週刊東洋経済プラス

 

中央銀行の独立性が危うい? 嘆く前に自らの行いを改めよ | トランプ米大統領がFRB理事候補に自陣営の経済顧問を指名 | グローバルアイ | 週刊東洋経済プラス

 

新FRB理事候補は、金本位制論者|アーカイブ一覧|豊島逸夫の手帖|純金積立なら三菱マテリアル GOLDPARK(ゴールドパーク) 三菱の金

 

▽ コロナ対策で国債を大量に買っている中央銀行、通貨の価値は

 

黒田総裁は「指摘の通り現在は金本位制を採用しておらず
通貨供給量などは日銀の保有する実物資産の量に
制限されていないが、買い入れる資産の量は物価の安定を
図る観点から決まってくる」と強調。

「2%の物価目標実現が近づく際には、
日銀が国債を買い入れる量を適切に調整する」と述べ、
「無制限にいつまでも国債買い入れができるわけでない」
とコメントした。
出典 現在は金本位制と異なるが、無制限に国債買えるわけでない=日銀総裁 - ロイター

 

現在は金本位制と異なるが、無制限に国債買えるわけでない=日銀総裁 - ロイター