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新型コロナウイルス新規感染者数を株価予測に用いるテクニカルの手法で分析します。Technical Analysis about COvid19 Infection Count.(土曜日更新)

ワクチンには感染予防効果があるとする研究報告について

昨日、BBCツイッターで、以下のような動画ツイートを見つけました。

 「入院や死を防ぐのには素晴らしく効果的ですが、感染防止にはそこまで効果はないということです。」(サー・ピーター・ホービー新興感染症に関する政府顧問グループ委員長)

 

当初から、ワクチンは感染自体は防げないということが言われていましたが、実際は、5月、6月にかけて、ワクチンには感染防止の効果があるという論文が発表されたり、報道されたりしていました。

 

 山中伸弥京都大学教授の新型コロナウイルスに関するサイトでも、以下のように指摘されています。

 Lancet誌のイギリスからの報告は、医療従事者約23000人に対して、2週間ごとのPCR検査と月1回の抗体検査を行い、無症候を含めて感染者の同定に力を入れていますが、感染そのものを85%程度抑制するという、非常に心強い報告です。

出典:山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信「ファイザー社製ワクチンの有効性」(2021年5月11日) 

 ワクチンの有効性

(下線、文字色変更は、論旨がわかりやすいように当ブログで行ったものです。) 

 

忽那医師のサイトでも、mRNAワクチンには高い感染予防効果があるとイスラエルの研究では報告されていると書かれています。

新型コロナワクチンは年齢や性別、基礎疾患によって効果や副反応が異なるのか(忽那賢志) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

 忽那医師の研究報告はイスラエルのものであることから、自社の製品の効果を自社で検証している、ファイザー社が行っている研究と思われるため、少し割り引いてみないといけないと思いますが、有名な医学誌「ランセット」にも、「ワクチンには感染予防効果がある」という論文が載っていたことになります。

 

仕組みとしては、mRNAワクチンは、スパイクたんぱく質というウイルスの突起部分が人体に付きづらくするもので、ウイルスが人体に付く量が減少すれば、重症化しづらいという理屈なんだと思いますが、スパイクたんぱく質の部分が変異すると、ワクチンの効果が低下して、人体に付くウイルスの量が増えるため、ワクチン接種者であっても、発症しやすくなる、重症化しやすくなる、という理屈なのかもしれません。

 

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Katja FuhlertによるPixabayからの画像

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実効再生産数と集団免疫の関係

先日、BSの報道1930の解説で、実効再生産数と集団免疫の関係について、専門家が話をしていたので、ブログに記録しておこうと思います。

 

実効再生産数とは、感染者1人が何人に感染を広げるかを表している数値です。
実効再生産数と感染の広がりで考えると、1人の人が、1人に感染させると、感染者の総数は変わりませんが、1を下回る状態が続ければ、感染者数の総数は減少していくので、感染は収束に向かう、と言えます。
逆に、実効再生産数が1よりも大きいと、感染者の総数は増加していくので、放置しておくと、感染者数の爆発的増加につながっていくことになります。

www.saiseikai.or.jp

 

この実効再生産数と集団免疫の関係ですが、
もし、実行再生産数が2だとすると、1人の人が2人に感染させている、ということになるので、この2人を1人以下にする必要があります。
つまり、予防接種を50%の人が受けていれば、確率的には、2人感染していたものを1人に減らせる、ということになります。

実行再生産数が3であれば、集団免疫の獲得に必要な免疫を持っている人の割合は66.6%、実行再生産数が4であれば、75%となります。

ただ、これは、ワクチンを接種すれば、100%感染を予防できる場合の数値になるので、実際はこれよりも高い割合でワクチン接種をしていないと集団免疫は獲得できない、ということでした。

もちろん、ワクチン接種による感染防止自体はあまり効果として期待できない、ということは以前から報道されていることではありますし、尾身会長も以前の会見(2020年8月2日の会見)で、「これまでにウイルス呼吸器感染症のワクチンで、十分な感染防止効果のあるワクチンはこれまでに開発されたことがない」とはっきり発言されていますので、これが専門家の見解を見てよそうさそうです。

 

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Miguel Á. PadriñánによるPixabayからの画像

 

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新型コロナウイルス感染者数のテクニカル分析(2021/6/25)

いつもご覧いただきいただきまして、ありがとうございます。
感染の拡大期か縮小期かを見極めるための数字の提供を、引き続き行っていきたいと思います。感染しないように気を付けましょう!!
現在は、本格的減少の終期になります。
 

 

新型コロナウイルスの新規感染者数を、株価分析に使うテクニカルという手法で観測、分析しています。
新型コロナウイルス感染者数は、1709人でした。(NHK報道より)

 

単純移動平均線による分析

 9日単純移動平均 1517.90(先週の値1679.00)

25日単純移動平均 1840.76(先週の値2410.72)

75日単純移動平均 3810.87(先週の値3956.15)

長期線>中期線>短期線という並びになっています。
移動平均線が、長いほうから順番に並んでいますが、短期線が上向きになってきていて、「本格的な減少期の終わり」といえるかもしれません。

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棒グラフ:感染者数   ピンク:9日移動平均   黄色:25日移動平均   水色:75日移動平均

 

平滑移動平均線による分析

12日平滑移動平均 1608.12(先週の値1789.60)

26日平滑移動平均 2054.53(先週の値2453.35)

短期線(12日線)が長期線(26日線)を下回る動きが続いています。
まだ確定した動きではありませんが、12日平滑移動平均線が底打ちして反転していく動きになるかもしれません。

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青:12日平滑移動平均線  赤:26日平滑移動平均線

 

MACDによる分析

MACD ▲446.41
シグナル ▲594.54
オシレーター 148.13

MACDC、シグナルともに上昇傾向で、オシレーターが一貫してプラス圏にあります。
感染者数の減少の底打ちから増加に向かっていることが明確にわかる動きだと思います。

当ブログでは、7月10日前後に9日単純平均線と25日単純平均線がクロスして、8月初旬ぐらいに緊急事態宣言が発出される程度の感染拡大になるだろうと予測しています。
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青:MACD  赤:シグナル  黄色:オシレーター

 

 

Googleによる感染者数予測

Googleの感染者数予測サイトの数字を定期的に記録しています。
これまでの推移は、以下の通りです。28日間の予想数値なので、カッコ内はその数字を28で割ったものです。日付はサイト閲覧日です

感染者数は明らかな増加傾向ですが、google予測では、現実の数値の半分の感染者数になることを予測しており、的外れな数値といえます。

以前は感染者数が増えると、爆発的な増加を予測していましたが、その予測を修正したのか、今度は増加傾向に反応しなくなってきています。

  

11月19日  51605(1843)
11月22日  71970(2570)
11月28日  94910(3389)
12月 6日  75436 (2694)
12月13日  96540(3447)
12月20日 119564(4270)
12月27日 122057(4359)
 1月 4日 145152(5184)
 1月 9日 178803(6385)
 1月16日 365778(13063)
 1月23日 350548(12519)
 1月30日  90271(3223)
 2月 4日  63793(2278)
 2月13日  36955(1319)
 2月19日  55736(1990)
 3月 6日  24396(871)
 3月13日  30542(1090)
 3月20日  28730(1026)
 3月27日  69652(2487)
 4月 3日  91087(3467)
 4月10日 216915(7746)
 4月17日 129118(4611) 
 4月24日 129293(4617)
 5月 1日 160236(5722)
 5月 7日 151386(5406)
 5月14日 183581(6556)
 5月21日 113906(4068)
 5月28日  76021(2715)
 6月 5日  48544(1733)
 6月17日  25893(924)
 6月19日  28498(1017)
 6月26日  25853(923)

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datastudio.google.com

 

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ワクチンとデルタ株について(イギリスBBCの報道から)

イギリスBBCで、こういうニュースがありました。

www.bbc.com

 

入院者のデータでは、2月1日から6月14日にデルタ株に感染して入院した人のうち、65%はワクチン未接種、17%はワクチン1回接種、10%がワクチン2回接種となっています。
2月1日からのデータなので、ワクチン未接種者の感染が多いというデータになっているのではないか、という印象を持ちました。

6月14日時点での28日以内の死亡した人とワクチン接種の関係をみると、47%がワクチン未接種、14%が1回接種、36%が2回接種となっています。

人口比で、ワクチン未接種:1回接種:2回接種がどういう割合でいるのかがわからないので、このデータだけではなんともいえません。

そこで、以前のBBCの記事を参照に、このワクチン接種者の比を見てみると、
ワクチン未接種:1回接種:2回接種=2400万人:1100万人:3000万人
(イギリスの人口を6500万人として計算)になっています。

接種者数の計算に参考にした記事はこちらの記事です。

英イングランド、ロックダウン緩和を4週間延期へ 感染拡大で - BBCニュース

 

改めて比率を見てみると、

ワクチン接種者の割合 37:17:46
感染者の割合(ただし2/1~) 65:17:10
死亡者の割合 47:14:36

となっています。

感染者の割合だけがまったく違う構成比になっているので、やはり2月1日からのデータをとっているところに問題がありそうです。

入院者のうちの未接種者の割合が多いということは、重症化する割合が高い、と解釈できますが、そうすると、死亡した人のうち、2回接種した人の割合が36%もあることの説明がつきません。

つまり、2月1日の時点では、ワクチン未接種者が多く、感染者数もおのずと未接種者が多いということになりそうです。
(この比率の通り解釈すると、ワクチン接種者のほうが感染時に死亡する割合が高いという結果になってしまうため)

いわゆるデルタ株は400番台の変異が2か所あるとされています。
400番台はスパイクたんぱく質の変異を表しているそうです。ワクチンは、このスパイクたんぱく質をターゲットに作られているため、変異によって効果が薄れていると解釈することができそうです。

Nextstrainなどの変異株の情報

今日は、2か月ぶりにNextstrainのサイトで変異情報を確認してみました。

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イギリス株やインド株などの呼び方から、ギリシャ文字による呼び名に変更されたのは知っていたのですが、アルファ、ベータ、ガンマから、ロータという種類まであるようです。

(VOC・・懸念される変異株)

アルファ・・イギリス株
ベータ・・南アフリカ
ガンマ・・ブラジル株
デルタ・・インド株

そのほかにも

エプシロン・・アメリ
ゼータ・・ブラジル
エータ・・多数の国
セータ・・フィリピン
などがあるようです。

日本では、VOCのほかに、セータにあたるフィリピン株(P3)もVOCに指定されています。

感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新規変異株について (第9報)

 

WHOの変異株情報とギリシャ文字の一覧

www.who.int